おくすり千一夜 第五十六話 癌で死ぬのが嫌ならどうする?
米国のがん研究財団が,がんを予防するための15ケ条というものを公表しておりますので注釈を交えてご紹介しましょう。
*食事:主に植物性の食物を選ぶ。
第三十一話 「歯並びから見た人の食性」でもお話したように,人類は長い間植物質の食物を摂取してきたので,もっと野菜や穀物を食べろと言うことです。
*体重:BMIを18.5~25に維持し、成人になっても5kg以上体重を増やさない。
この内容は成人病対策の指標のようにもきこえますが、癌でも同じなのでしょう。
*運動の維持:一日一時間の活発な歩行と週最低限一時間の激しい運動。
糖尿病、高脂血症もよくなります。
*野菜と果物:豊富な種類の野菜・果物を1日400~800g食べる。
ベジタリアンになれそうです。
*他の植物性食品:豊富な種類の穀物・豆類・根菜類を1日600~800g食べる。
こんなに食べたら栄養満点。日本人なら体重増加間違いなし。
*アルコール飲料:勧められない。飲むならば、男性は2杯以下、女性は1杯以下にひかえる。
お勧めできないとは言え、許容限度を教えて下さる当たりはさすがアメリカ。
*肉:(牛・豚・羊肉)1日80g以下。魚肉・とり肉のほうがよい。
これならコレステロールも増えません。循環器障害にもならないこと確実!
*全脂肪:動物性脂肪食品の摂取を控え、植物性脂肪を適度に摂取する。
エイコサ、ドコサがいいなどと心配する必要は有りません。
*食塩:成人は一日6g以下。調味料はハーブやスパイスを使う。
本当に必要な量は1.3gなのですぞー。
*貯蔵:カビ毒汚染の可能性のある長期貯蔵の食品は食べない。
アフラトキシンなどと言う恐い毒素をだす黴がいるのです。
*保存:腐敗しやすい食品は冷蔵保存する。
東芝や日立、ナショナルの笑顔が目に浮かびます。
*添加物・残留物:適切な規制下では問題ない。
本当ですか?あまり信用しないこと。あまり神経質にはならないこと。
*料理:焦げた食品は食べない。
これは日本でも証明されています。
*栄養補助食品:勧告の他の項目に従えば摂取不要。
ビタミン剤も健康食品も必要ありませんということ。
*たばこ:吸わない。
さすがにお許しがありません。百害有りて一利すら無しというところ。
読者の皆さん。この15ケ条をお読みになってどう思われます? これを実行できたら、癌は勿論、糖尿病も高脂血症も高血圧も、更にもう一つ痴呆の予防になること請け合いです。生活習慣病をすでにお持ちの中高年の皆さん、元気溌溂の若い皆さん、癌にならないだけで無く、スリムで医者も薬も要らない生活がそこに有るのです。
今日から是非行動に移して下さい。そうすればあなたの人生はよりバラ色になるのです。二十一世紀をバラ色で生きられるのです。
追補 1:
お酒弱いのに飲酒・喫煙すると、食道がんのリスクは190倍に (2009年5月14日)
顔がすぐに赤くなるお酒に弱い体質の人が飲酒と喫煙をすると、食道がんになるリスクが、飲酒も喫煙もしない人に比べ、最大190倍も高くなることが、東京大学の中村祐輔教授と松田浩一助教の研究でわかりました。
同じ体質の人でも、飲酒・喫煙をしないと、リスクは7倍程度に下がりました。体質を理解して生活習慣に気を配ることで、予防したり、早期発見したりできると期待されます。
研究チームは、食道がんの患者1070人と健常者2832人で、約55万か所の遺伝情報の違いを比較。発がん性が指摘されているアセトアルデヒドをアルコールから作る酵素と、アセトアルデヒドを分解する酵素の二つが、食道がんのリスクに関連していることを突き止めたのです。
アセトアルデヒドはお酒で気分が悪くなる原因物質で、たばこの煙にも含まれます。顔が赤くなるのは、アセトアルデヒドの分解能力が弱いためで、日本人の4割がこのタイプ。アセトアルデヒドを作る働きが弱いと、気分が悪くなる前に、ついつい余分に飲んでアセトアルデヒドが増えてしまいます。
飲酒・喫煙の影響についても調べたところ、お酒に弱く二つの酵素の働きが弱い人が、1日缶ビール1本以上の飲酒と喫煙をすると、相乗効果が働くことがあきらかになりました。